このブログでは「具体的」に書くことをモットーとしています。
ところで、「具体的」と「抽象的」という言葉の意味そのものがわかりにくいです。「形而上」なんて、さらに難しいですが、昨年「国語」の授業をやる中で、我ながら「うまくやれた」と思った授業を再現します。
× × ×
T「具体的な算数と抽象的な数学の話をします」
黒板に「3+2」と書く。
T「この問題を表す文章問題を考えてください」
S「リンゴが3個とみかんが2個」
T「リンゴが300円、みかんが200円なら足し算になるけど、リンゴとみかんの個数は足さない」
注:ここがミソです。普通、小学校ではこういう足し算やらされます。
S「リンゴが3個ありました。2個買ってきました」
T「はいそうです。これが具体的な算数」
と言って、板書の「3」と「2」を消す。
T「中学校ではこの空欄に何を入れますか?」
S、口々に数字を言う。「億」とか「ケイ」とかの大きな数も出てくるが
T「全部違う。ここに入るのは数字ではありません」
と言って「x+y」の式を提示する。
T「これが抽象的な数学です」
× × ×
私が教えていたのは数学ではないので、説明はここまでです。
生徒のどれほどが理解してくれたかは不明ですが、後日この話を実家の母に披露したところ「私はxとかyとかの数学は全くできなかった」と言っていました。
母の思考が小学生レベルなのもむべなるかな、と思った次第です。