なんだか犬のしつけのような授業をしてきたと思われると心外です。実用的な内容であることと同時に、文学的な理解にも心を砕いてきました。ただ、私の思い入れが押し付けになるのは絶対に避けたいとも思っていました。
教科書の最初の課題が「朝のリレー」でした。本文に入る前の「扉」のページです。谷川俊太郎さんの詩です。ご本人が朗読している動画がありました。
残念ながら、授業を始めたときにはこの動画の存在は知りませんでした。音声CDはあったのですが、まだCDプレーヤーがどこにあるかわからなかったので、私の声で朗読するところから始めました。
通して聴いてもらった後、1行ずつリピートしてもらいました。声に出すことで印象が深くなるのが「詩」です。
このブログは、時系列を行ったり来たりしますが、最初の授業で扱ったこの詩を、最後の授業でもう一度取り上げました。生徒たちは記憶していました。
さらに、ありがたいことに谷川俊太郎さんは現役の詩人です。最後の授業の直前に朝日新聞に新作の詩が掲載されていました。最後の授業を私はこの詩のディクテーションで締めくくりました。書き上げた紙は4月になったら新しい国語の先生に見せてね、と言って教室を去ったのでした。(続く)
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