私の高校時代については「夢のつづき」という小説にまとめて掲載してあります。
今年の初めに開かれた学年全体の同窓会で、卒業以来初めて会った同窓生から衝撃の事実を聞いて、なかなか消化できずにいたのですが、忘れないうちに書いておきたいと思います。
私が高1と高3の2年間同級だったKさんという才媛がいました。彼女とは名簿順が近くて、1年生の時は私が廊下側の最前列、彼女がその後ろという席順でした。
高校2年生の夏から私もコンタクトレンズというものを装着するのですが、当時は度の強い眼鏡をかけて最前列にいたにも拘わらず黒板に書かれた文字が非常に読みにくくて、後ろの席にいたKさんに「黒板読める?」と尋ねたところ、彼女は「私、ノート取らないから」とサラッと言うのでした。
後々、廊下側の席から左前方の黒板は誰にとっても見えにくく、学習環境が最悪であることを知るのですが、私はKさんの余裕のある態度に気おされて、そのまま落ちこぼれの道をたどっていきました。
そして、冬休み明けにKさんは長期に病気欠席をしたのですが、3年生で同じクラスになった時にはその影は全くなく、スポーツ大会も学祭も一緒に盛り上がったのでした。
彼女の訃報を聞いたのは、大学卒業後1年足らずの頃でした。1年時の入院がすでに死を避けられない闘病の始まりであったことを、通夜のために集まった同窓生に当時の担任から話があり、「本人には病気のことを知らせていなかった」と聞いたのです。「死を覚悟して生きることは困難だろう」と。
ところが、冒頭の同窓生の言うには「自分は知ってたよ。○○がKと付き合ってたから」。
えっ!!!! Kさんは、自分が死に病だと知っていて、しかも家族や教師がそれを隠しているのを知っていて、私たちと一緒にスポーツ大会や学祭や入試に取り組んできたわけ?
還暦の年まで秘められた青春のラブストーリーを、ここに記します。
2020年05月25日
青春ラブストーリー
posted by nora_asuke at 13:15| Comment(0)
| #高校時代
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