○信州にある美術館・無言館
季節は盛夏。
雨のそぼ降る中、車で無言館へ向かう千鶴子。
運転しているのは哲雄。
哲雄「君の無言館参りは毎年雨だな」
千鶴子「お兄ちゃんが出征した日も、こんな日だった」
フェアリー「画学生とは道ならぬ恋」
○無言館・中
数人の来館者がいる。
戦没画学生の絵に囲まれて立つ千鶴子。不意にその姿が消える。
○異次元
時のトンネルを遡る、千鶴子、満寿子、耕一、暁美、そして、二千歳とミレ。
○繁華街の路地裏・夜
2000年にタイムスリップしている。
小さな小屋で占いをしている満寿子。17歳若返っている。
小屋の外には、OLの行列。
満寿子、水晶玉を覗き込んで客のOLに
満寿子「転職なんて、簡単に考えちゃだめよ。この先日本は不景気で、仕事に就きたくても仕事がない人であふれるんですから」
フェアリー「仏壇の遺影は息子そっくりで」
○大学の教室(前と同じく2000年)
英語で授業している千鶴子。
千鶴子(英語)「今年がなぜうるう年なのか知っている人は?」
フェアリー「サイダーの泡白くはじける」
○田舎の家々(2000年)
バイクにまたがって郵便物を配っている耕一。畑の農婦に声をかける。
耕一「加藤さんのおばあちゃん、かもめーる買ってくれんかい」
フェアリー「駄菓子屋のおばちゃんにだけ言う本音」
○結婚式場(2000年)
花嫁花婿姿の暁美と信也。ブーケトスを受け取ろうと群がる若い友人たちの後ろを、仔猫のミミが横切る。
フェアリー「トラ猫ひょいと道を横切る」
○産院(2000年)
2分割画面でそれぞれ二千歳とミレの生まれた様子をロングショットで描く。
○異次元
時のトンネルを戻ってくる、千鶴子、満寿子、耕一、暁美、二千歳、ミレ。
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